オペラに学ぶマーケティング
昨日は、今シーズン初のオペラを見に行ってきました。
今年がヴェルディとワーグナーの生誕200年ということで両者の作品
が目白押しですが、昨夜はヴェルディの『イル・トラヴァトーレ』でした。
この中の合唱の曲、コンサートで単独で演奏されることも多いので、
聞き覚えがあって楽しかったです。
オペラを見たことなくても知っている曲がある、それも100年以上前に
作曲された曲がいまでも演奏されているってすごいことだと思いませんか?
帰宅後、今シーズンの劇場プログラムを見ていて、見つけたのが
プッチーニの『三部作』です。
プッチーニ(1858-1924)といえば日本では『蝶々夫人』が有名ですね。
オペラは日本では高額なチケット代がかかる高尚な芸術作品というイメージ
があるかもしれませんが、イタリアのオペラ全盛期には大衆に受ける音楽劇
でした。当時の流行歌もオペラ内の作品からということも珍しくありません。.
劇場経営者もビジネスですから、『売れる作品』を当時の売れっ子作曲家や
台本作家に注文してヒットさせないと、売れない作品ばかり上演していたら
赤字経営で劇場も潰れてしまいます。
大衆受けする作品、たとえば演劇でヒットした作品のオペラ化など多いのも
そのためです。
さて、話がちょっと脱線しましたが、プッチーニの『三部作』とは、
ゴーリキの作品から「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」
の1幕の短いオペラを続けて上演します。
この作品は、プッチーニの鋭い劇場感覚から生まれたオリジナルの構想で、
プッチーニが台本作家ジュゼッペ・アダーミ宛ての手紙の中で
劇場で成功するにはお決まりの秘訣というのがある。
まずは観客に興味を持たせ、驚かせ、感動させ、そして笑わせるんだ。
と述べています。
つまり最初の「外套」で観客を舞台に惹きつけ、そのエンディングで驚かせる。
次の「修道女アンジェリカ」で観客をを感動させ、最後の「ジャンニ・スキッキ」
の終わりで観客を笑わせて、楽しい気分で家路につかせるという意味になります。
確かに、昨夜見たオペラのように最後に登場人物のほとんどが死んでしまう
ような暗い作品より、楽しい作品の方が帰りに一緒に見に行った人と
一杯飲んで行こう、そしてまた見に行こうという気分にもなりますね^^
これって、観客の心をうまく舞台に向ける、まさにマーケティングの手法
ではないでしょうか?
プッチーニのいう「秘訣」、現代でも十分に通用しますね。
劇場作品だけでなく、ネットワークマーケティングのトーク、サイトの記事にも
ぜひ取り入れてみたい「秘訣」です。